車検　よもやま話　静岡県車輛サービス株式会社

　車検の、正式名称は「自動車検査登録制度」といい、日本で自動車（ミニカーや小型特殊自動車を除く）や 自動二輪車（排気量250ccを超える）に対して、保安基準に適合しているかを確認するため、一定期間ごとに国 土交通省が検査を行い、また自動車の所有権を公証するために登録する制度です。

　自動車は登録を行い、定められた期間に車検を受けなければ、公道を運行してはならないことになっています。

　道路運送車両法によると、車検には新規検査、継続検査、臨時検査の３種類がありますが、一般的に車検というと、 継続検査を指すことが多く、乗用車の場合、新車購入後３年目、それ以降は２年毎に車検を受ける必要があります。

　車検(検査)は、所有しているクルマが安全面や環境面などが国の定めた基準に適合しているかどうかをチェックする 検査のことで、次の車検（検査）までの安全性等を保障するものではありません。
　使用者は、安全・環境を守るため、自らの責任で適切に自動車を管理しなければなりません。自動車の事故や故障を未然に防止するためにも、 日常点検整備と定期点検整備を行う必要があります。と車検証の裏面に記載されています。

　「車検」と「法定点検」は別もので、法定点検をしたから車検はしなくていいとはなりません。
　一般的には、法定点検（24ヶ月、12ヶ月）を行った後に、「車が法律（道路運送車両法）に定められている保安基準に適合しているか」を検査します。
　法定点検と車検を同時に行うため、同じものと混同されている方も多く見受けられます。

　法定点検では、エンジンルーム・外回り・室内・足廻り・下廻りなど５６箇所を目視や計器を使用して点検、機能に不具合があれば、 部品の交換や修理を行います。
その後、　車検（検査）は、“自動車検査員”の国家資格を有した人が、検査機器を用いて機能検査を行います。
車検が切れた自動車を公道で運行した場合は、道路運送車両法違反により、罰則があります。
一方、法定点検の未実施による罰則は特にありませんが、法定点検の未実施の場合には、メーカー保証の対象外となる 場合もありますので、法定点検の実施をお勧めします。

　車検の期限が切れた自動車を公道で運行した場合は、交通違反（無車検車運行６点）、道路運送車両法違反に該当し 「６ヵ月以下の懲役またはは３０万円以下の罰金」の刑事罰を受けます。
また、車検の期限切れに合わせて、自賠責保険も失効している場合が多く、交通違反（無保険車運行６点）自動車損害 賠償保障法違反に該当した場合は「１年以下の懲役または５０万円以下の罰金」の刑事罰に問われる可能性があります。

　車検は、検査証の有効期限満了日の1ヶ月前（離島の場合は２ヶ月前）からを受けることができます。
期間内であれば、次回の車検満了日が繰り上がることはありません。
車検の有効期限は、自動車検査証（車検証）の左下段「有効期間の満了する日」または、自動車のフロント ガラスにある検査ステッカーで確認することが出来ます。
但し、2023年1月4日から車検証が電子化され 従来のA4サイズからA6サイズに小型化。「有効期限の満了する日」の記載が無くなりました。
スマホのアプリ等を利用して、車検証のＩＣチップ情報の読み取りにより「有効期限の満了する日」 を確認することができます。

　車検費用は、法定費用と車検基本料金（基本整備料、検査代行料など）に大別されます。
　法定費用は、自動車毎に一定の金額が決められていて、必ず必要なコストで、重量税や自賠責保険、印紙代です。
　車検基本料金は、法定点検や検査代行料などが含まれています。また、点検を行った結果、保安基準に適合 しない場合の、部品交換や修理料金も追加整備料金が発生します。

　車検料金を分解すると、車検料金の約６割を法定費用が占めています。

　法定費用は、どの業者でも同じですが、格安（通検）車検、安心車検（予防整備付き車検）など と呼称され、車検料金の総額は様々です。
　一般的にディーラー車検は高額で整備工場や車検専門店のほうが安いと言われています。
ディーラー車検が高額なのは、早めの消耗部品交換やメーカー純正部品での修理をおこなうためです。
一方、車検を安価に行っている業者では、お客様の要望に基づき最低限の点検や修理を行い、料金を抑えているのです。
　自家用車を取り巻く環境は人ごとに違います。最低限の点検修理で少しでも安く車検したい人から、料金が多少高くなっても 次回車検まで安心を担保したい。そんな視点での車検業者選びも一考かもしれません。

　車検を安くする方法は、ずばり車検の方法です。究極に安価に車検をするには、ユーザー車検があります。
法定費用は通常車検と同じですが、点検基本料（検査代行料）を節約することが出来ます。
ただし、時間と手間はたっぷり掛かります。それを費用に換算すると、業者に依頼するほうが結果的に安価だったなんてこともあるようです。

　ユーザー車検とは、字のとおり車検を自ら行うことです。陸運局に予約し、必要書類を準備、 陸運局に自動車を持ち込み書類提出、重量税を納付、継続検査を受けます。保安基準に適合 していれば、新たな車検証が交付されます。
ただし、業者に依頼すると法定点検（所有者に義務づけられている）を同時に実施してくれますが、 ユーザー車検の場合は、別途、法定点検を業者に依頼する必要があります。

　軽自動車も、普通自動車とほぼ同様な車検が必要です。普通自動車と違うところは、 検査をする場所で、「軽自動車検査協会」で車検を受けます。

　道路運送車両法では、二輪車を排気量によって50ｃｃ以下を原付（第１種）、50ｃｃを超え 125ｃｃ以下を原付（第２種）、125ｃｃを超え250ｃｃ以下を軽二輪、250ｃｃを超える小型二輪の４ 種類に分類されています。
　この分類における小型二輪に該当する場合は自動車と同じように２年毎に車検を受ける必要があります。